社内英語化の取り組み先進企業に学ぶ!100名組織のHENNGEが選んだグローバル化という道【HENNGE株式会社】
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“採用戦略”を聞きに行くと、あったのは社員を徹底的に大切にする会社だった!
#50名以下IT企業 #外国人エンジニア採用
12月11日に開催されたトークイベントGLOBAL INNOVATORS UNLEASHEDにて
パネラーとして登壇頂いたHENNGE株式会社
の高須さんに、同社社内英語化の背景と現在の取り組みについて伺いました。日々ベンチャー企業の外国人採用、グローバルチームづくりに向き合うアクティブ・コネクターCEOの松本が聞き手となり、一企業が辿り現在も歩むグローバル化への道を探ります。
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目次
1: 組織のグローバル化決断の背景
2: 英語化で浮かび上がった、トランスパレンシーの重要性
3: グローバル化は、あくまで手段
組織のグローバル化決断の背景
松本:英語公用語化を行なったことでも知られる御社ですが、HENNGEではどのようなタイミングで組織のグローバル化、社内公用語英語化を始められたのでしょうか。
高須さん:代表の小椋が、HENNGE(当時HDE)をグローバル対応ができる組織に変革する方針を社員に向けて宣言したのが、2013年のことでした。この方針に伴い、社内言語の英語化が全社的に施行されたのは3年後の2016年10月です。このときには正社員数は110名を超えていました。
松本:この3年の間には、英語化を開始するための準備が何か行われたのでしょうか。
高須さん:はい。この宣言から施行までの間には、前もって様々な準備が行われました。
まず、いかに既存社員の英語力を底上げしていくか、英語への抵抗をなくしていくか、という事に取り組む必要がありました。そのために、いくつかオンラインで受講できる英語学習サービスを選定したり、TOEICなど自身の英語力のレベル、向上を確認するテストの受験に関しては、予算的な上限は厳密に設けずにどんどん促しサポートをしました。
英語を使う・話すことへの抵抗をなくすということに対しては、1ヶ月間の留学制度も取り入れました。英語に抵抗感がある人や一部希望者に1ヶ月間セブ島への語学留学に会社負担で行ってもらうというものです。全社的な英語化を正式に始める前のことでしたが、はじめは英語化に対して乗り気でなかった人が、1カ月どっぷり英語漬けになることで、前向きになって帰ってきたケースもあったようです。
こうした取り組みと並行して、各部門では段階的にドキュメントの英語化を始めました。
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松本:やはり大きな変化であるだけに、準備期間をしっかりと設け、先行して組織を少しずつ変えていった部分があったのですね。この準備段階においては、すでに外国籍メンバーの採用は始まっていたのでしょうか。
高須さん:はい。英語化を宣言した2013年の時点で、Global Internship Programという海外からインターン生を採用するプログラムの準備に取り掛かり始めました。2014年8月には初めての海外出身インターン生が入社をしました。全社的な英語化の施行に先立ち、このときすでに日本語を話さないメンバーも迎えていました。
松本:準備期間を設けたとはいえ、100名を超えた規模の会社がグローバル化を宣言するというのは、既存社員にとってかなり大きな変革だと想像します。そもそもになりますが、ここまで大きな改革を伴いながらグローバル化への方針決定、英語化が必要であった理由は何だったのでしょうか?
高須さん:組織のグローバル化を決断をするきっかけは、日本国内でのエンジニア獲得の難しさに直面したことにありました。採用を通じ、日本人エンジニアをサスティナブルに確保し組織をつくることが現実的な手段ではなくなることを痛感していました。代表の小椋が生き残りの戦略と正面から向き合った結果、ビジネスと組織をグローバル対応していかなければ未来はないと考えたのです。
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会社の未来のためにグローバル化は必須であるという結論に達した背景が代表の小椋から社員に説明され、英語化への準備期間、Global Internship Programへの取り組みへと入っていきました。
英語化で浮かび上がった、トランスパレンシーの重要性
松本:チームメンバーをグローバルに採用したい、というベンチャー企業も増えてきています。同時に、コミュニケーション面での不安は依然として大きく、一つの壁になっていると感じます。実践をされたHENNGEでは、英語化を実施したことで生じた課題はありましたか?
高須さん:全社的な英語化を開始してから3年が経ちますが、まだまだこの取り組みは現在進行形のもので、課題が浮かび上がるたびに様々な施策を試しています。
直近で重要視しているのが、社内のトランスパレンシーを高めることです。社内の公用語を英語にしたとはいえ、国内の案件など業務によっては日本語の使用も残りますし、言語が混在する中では誤解や勘違いも生じます。
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松本:情報の共有やコミュニケーションの中でトランスパレンシーが大切だと意識するきっかけになったようなことはあったのでしょうか?
高須さん:一つの例として、チャットツールの使い方があります。社内コミュニケーションにはSlackを使っているのですが、例えばそこで国内案件に関する会話や相談が日本語で行われたとき、日本語を話さないメンバーには内容が理解できないということが起きます。またSlackだけではなく社内の何気ない立ち話でも同じことは起こり得ます。
この「自分には理解ができない情報がある」という状況を発端に、自分の知らない場所で何かネガティブな話がされているのではと不信感を訴える声が聞かれはじめました。全く関係がない話でも、「影で悪意あるコミュニケーションや決定がなされているのではないか」など、言葉のバリアによって思考が悪い方向へ向けられやすくなってしまったのです。言語や文化の壁がある以上、そうなることはむしろ自然なことであり、それに抗う為には強い意志と努力が必要なのではないかと考えはじめました。
松本:課題を認識して以降は、どのような対応をとっているのでしょうか。
高須さん:代表の小椋から全社に向けて、この課題に立ち向かっていこうという話がなされました。以降、例えば自分が必要十分だと思う以上に丁寧に時間をかけて言語化して説明する、どちらとも取れるような発言を減らし明確に伝える、そしてなるべく多くの情報が開示されている状態を作るなどコミュニケーションや情報統制に対するスタンスが変わってきていると感じます。
今では伝えたいことはとにかく言語化する、という意識が広がってきています。以前なら「言わなくても知っているだろう」「わかるのが普通だろう」思っていたことも、やりすぎではというくらい言語化して説明する、その労力は今の我々にとって必要なコストなのだと思っています。
相手の受け取り方や理解に期待をするのではなく、こちらが積極的に伝わるまで努力をする、そういうコミュニケーションスタイルを選ぶようにしています。
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松本:たとえ日本人同士でも、自分が意図しない形で話が伝わることはよくあります。それがましてや言語、文化背景を共有しない人たちの間であればさらに複雑です。リーダーシップを持つ人とチームメンバーの間であればリーダー側の意識で良くなることもあると思うのですが、メンバー間では何か意識して行われていますか?
高須さん:根本的に大切なのは、やはりメンバー同士が信頼し合える関係性を持てていることだと思います。弊社が採用する外国籍社員は大半が新卒ということもあり、マネージャーの存在は大切でもあるのですが、同時に横並びのメンバーとの信頼関係が醸成されていると定着が良くなる傾向があります。
HENNGEの社内はとてもカジュアルで自由な雰囲気で、メンバー間で色々なファンイベントが頻繁に開催されたりしています。メンバー間で日常的に業務外のつながりがあることは、社内のコミュニケーションが活性化されている上でとても大切なことだと思います。
特に開発組織はメンバーの半数が海外出身メンバー(=日本語を話さない)という状況でもあり、言語によって生まれてしまうバリアをどう乗り越えていくかについては特に気にしています。業務を離れた場で楽しみながら個々に話せるよう、ボードゲームやビアバッシュなどといったファンイベントを毎週開催するなど、色々と工夫がされているようです。
グローバル化は、あくまで手段
松本:コミュニケーションの一場面を切り取っても課題一つ一つに解決が求められる中、ときには目先のコスト、犠牲も覚悟の上で、グローバル化を推し進める必要もあったのではないかと思います。そうしたことを経ても、やはり組織のグローバル化は御社にとって必要なものであったと思われますか?
高須さん:私たちにとって、あくまでグローバル化は手段です。この会社の未来、あり方を考えたときに選び取ったものですが、グローバル化された組織とは具体的にどのような状態の組織かという点については絶対的な正解・やり方は無いように思います。HENNGEのグローバル化の旅はまだ始まったばかりで、自分たちのやり方が良かったのかどうかのジャッジもまだ出来ないと思っています。
組織内部のグローバル化というのは、HENNGEのビジョンである、テクノロジーを解放し、良いテクノロジーをより多くの人に届けていく為にも必要なことです。英語化の取り組みそれ自体が成功したかどうかよりも、この先企業としてどう成長していくのか、に答えがあるのだと思います。
松本:これからのHENNGEがどうなっていくか、ということですね。
高須さん:そうですね。海外展開への機会が先行することでスムーズに進む組織のグローバル化もあると思います。一方でそうなるまでの準備として、整えなければならないグローバル化もあると思っています。
私たちもまだこの取り組みの中で挑戦をしている最中ですので、この先の海外展開やビジネスに成果を見られるように、一つ一つの課題を乗り越えていきたいですね。
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